アカデミック・キャリアパスで研究者が切磋琢磨する方法を発信することをめざします。
仕事とプライベートとのバランスは永遠のテーマですが、現在のようにいつでもどこでもネットにつながり、24時間仕事に関するメールをやりとりし、仕事に関する情報を吸収/発信する状況のなか、仕事/プライベートの境目は増々希薄になっています。スマートフォンやiPhoneがさらにこの境目をなくしていくでしょう。

かっては「本当に仕事のできるヤツはオンとオフのバランスをうまくとっている」的な伝説もあったかも知れませんが、境目がなくなって行く以上、もともとワーカホリックにとっては不可能な「バランス」などという幻想など捨ててしまおうというのが最近よく目にする考え方です。

仕事/プライベートの「バランス」から「融合」への変遷をうまく表したイラストをribbonfarm.comで見つけました。70年代は仕事がプライベートを浸食しましたが、その後バランスという幻想が流行りました。2000年以降はプライベートが仕事へと浸食し、現在は融合がハッピーエンディングに向けて進行中ということでしょうか.....


work life




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何か大きなことを成し遂げる行程で、「考えられる失敗はすべて経験した」と語る成功者は少なくありません。キャリアを形成して行く過程で許される失敗の回数は無限回ではありませんし、個人の状況によっても違います。しかし、失敗は、そのネガティブな面が過剰に強調される傾向があるので、長期的に見て許される失敗の回数はおそらく人が感じているよりもずっと多いはずです。

失敗を恐れるメンタリティーに対抗するのに効く一つの方法が、失敗のポジティブな面に目を向けることです。そこで”15のクリエイティブな失敗プラス1”に関するプレゼンテーション「Funny Mistakes」を紹介します。




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羊土社「実験医学」で執筆しています「プロフェッショナル根性論」関連のコラム「第7回 理系研究者のための”名刺戦略’としてのブログのすすめ”ブログをはじめるにあたって”」がアップロードされました:

(梅田望夫さんが提唱されていますように)他のブロガーの書いたブログをRSSフィードを使って定期的に読んでいくことは,普段は出会うことのないタイプの人の考えをリアルタイムで学ぶことを可能にする知的生産術の1つです。私が推薦する理系研究者自己啓発のための10個のブログを紹介します。



ぜひご覧下さい

プロ根

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研究者がよりダイレクトな形で世の中にインパクトを与える方法の一つが、自分のサイエンスの成果をもとに起業することですが、ビジネスの経験のないアカデミアの研究者にとっては、そのプロセスは容易なことではありません。しかし、メディカルスクースとビジネススクールとのコラボレーション、さらにはベンチャーキャピタルの少しばかりの助けがあれば、アカデミアの研究者が起業も不可能なことではないと感じています。

今私は、自分の研究室の仲間と、ハーバードビジネススクールの学生とチームを組み、自らの開発したテクノロジーをもとにバイオテクスタートアップを立ち上げようとしています。その第一歩として、ハイランドベンチャーキャピタルの提供する”起業家キャンプ”に応募し、何十倍かの難関を乗り越え、この夏起業家キャンプの正式な参加者に選ばれました。

ハイランドベンチャーキャピタルが与えてくれるアドバイスやオフィススペースと少しばかりの資金もありがたいのですが、本当に重要なのは彼らのネットワークを通じてボストン周辺での重要なビジネスパーソンとのコネクションを作って行くことができることです。とにかく、競争の激しいボストンのビジネスコミュニティーでわれわれのチームの存在を知ってもらう(ノイズをたてる)のが、まずすべきことのひとつです。ノイズをたてるのに効果的なのがやはりメジャーなメディアでストーリーが取り上げられることです。

幸運にもビジネスウイークがハイランドの起業家キャンプでの私たちの活動をとりあげてくれました。サイエンスをビジネスにするのは簡単なことではないでしょうが、”挑戦し、失敗から学ぶ”ということをもう一度やってみるつもりです(一回目は臨床医から基礎医学研究者に10年前に転向したとき)。


HL-4

BW logo


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羊土社「実験医学」で執筆しています「プロフェッショナル根性論」関連のコラム「第6回 人生のプライオリティーを決める」がアップロードされました:

1979年のハーバードビジネススクールの学生のうち

・3%は将来の目標を紙に書いていた
・13%は将来の目標を持っていたが,紙には書いていなかった
・84%ははっきりとした目標を持っていなかった

さて10年後の彼ら/彼女らの収入を見てみると、続きはこちらで




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人間力を磨くことが、仕事では大切であるといわれて、日本では久しいようですが、「人間力」を英語でどう表現するかなかなかよい言葉が見つかりませんでした。

若干ニュアンスは違うかもしれませんが、Wharton Schoolで Leadership Programの教鞭をとるStewart D. Friedman教授の提唱する”Total Leadership”が”人間力”に相当するのではないかと思っています。この本は読んでいないのですが、アマゾンの紹介文から察するに

Now more than ever, your success as a leader isn't just about being a great business person. You've got to be a great person, performing well in all domains of your life -- your work, your home, your community, and your private self.


Total Leadershipは:
仕事(work)、家庭(home)、地域社会(community)、個人(private)
の4つの領域でのパフォーマンスを総合的にまとめあげたものだと考えられます。

(卵が先か、鶏が先かの問題にもなりますが)人間力(Total Leadership)は仕事/家庭/地域社会/個人の4つの分野でのWin-Winである"four-way wins"を実践することによって磨かれ、また人間力(Total Leadership)は"four-way wins"を達成できる能力であると定義することもできます。

このように人間力(Total Leadership)とは簡単に身に付くものではないし、生涯をとおして磨いていくたぐいのものであり、決して新人の採用基準に取り入れるようなものではありません(参照:「人間力」を磨けなどと言っている場合ではない:本田 由紀氏)。

以前、

「人間力」という言葉は”哲学用語”である。


と書きましたが、Total Leadershipは曲がりなりにも人間力を「仕事/家庭/地域社会/個人間の4分野間での"four-way wins"」を実践できる能力とアプローチ可能な形に落とし込んでいるところは評価できると思います。

ニューヨークタイムズに連載のキャリアに関するブログShifting CareersでFriedman教授のLeadership Programを受講した学生がTotal Leadershipの素晴らしさを語っています。

total leadership

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先日プロ研主催のパーティーに参加させていただき、多くの若い研究者の方々とキャリアについて意見を交換することができました。とくに印象的だったのがほとんどの方が”キャリアに攻め”の姿勢であったことです。

大前研一氏が、日本のビジネスパーソンは(そしておそらく研究者も)35歳まではどんどん成長してグローバルにみてもトップクラスであるが、35歳から50歳までの15年間で伸びか急速に鈍くなり、他の国のビジネスパーソンに抜かれてしまうという意味のことを書かれていたと記憶しています。ポストの少なさと流動性の低さのために、組織では35歳以降はほぼ全員が待ちの姿勢になり、大きな失敗をせずに辛抱して10から15年待つという厳しい持久戦を生き抜く”内向き”の能力が試されるため、どうしても”キャリアに対する守りの姿勢”が形成されてしまうとのこと。

”守り”自体は決して悪いことではありませんが、同時期を攻めの姿勢で過ごしてきた人との競争になれば、少なくとも精神的にはずいぶん不利になるのではないでしょうか。

学生のうちにしておくべきことーGeekなページー」の一番に大失敗があげられています。

背負っている物が少ないうちにする失敗は、その後の財産になります。


学生のときの失敗は35歳ぐらいのときには肥やしになっているというのは本当でしょうが、35歳から40歳ぐらいでの失敗は50の時の肥やしになっていると思います。50歳になったときに運良く失敗なしにやってこれたら、失敗が怖くてその後の人生を歩めなくなるかもしれません。

最後に私の座右の銘の一つチャーチルの言葉を引用させていただきます:

Success is the ability to go from one failure to another with no loss of enthusiasm.
                  ーSir Winston Churchillー



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ボブウッドワードの「攻撃計画ーブッシュのイラク戦争(Plan of Attack)」より:

チェイニー(副大統領)は最悪のシナリオを検討する役を買って出た。公にはされなかったが、暗い面に目を向け、陰惨なおぞましいシナリオを考えた。....考えられないようなことを考える覚悟が必要だと...指揮官(ブッシュ大統領)に次ぐ地位の人間はそうでなければならない

"be prepared to think about the unthinkable. It was one way to be an effective second in command"



アタックリーダーにはオプティミズムが絶対に(少なくともある程度は)必要であると思います。しかし、ナンバー2というポジションはもしかするとオプティミズムとはなじまないものなのかもしれません。”考えられないようなことを考える覚悟”(be prepared to think about the unthinkable)を持つことと、オプティミズムとは両立しないのではないでしょうか。リーダーに代わってダークサイドに常に目を向け、リーダーがオプティミズムを失わないようにするのがナンバー2の重要な機能であると考えられます。

したがって、リーダーが引退したときに、ところてん式にナンバー2がリーダーの地位に就いたときにしばしばミスマッチが起こるのでしょう。



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(筑駒―東大法学部に進んだ秀才君)曰く、こうした学歴になればなるほど自分たちのつく職業は限られてくる...........確かに受験雑誌や進学関係者の常套句に、よく勉強していい学校に行けば将来の可能性を広げられるというものがある。当然そこにあるイメージは全能感の全開のようなものであるが、いざその立場に立たされた当人ともなれば相場感というべきものが形成されて、国家公務員か、大学に残るか、外資系か、司法試験かといくつかの選択しかないようなことになるものだそうだ。つまりその意味では進路の可能性が狭まるのである。
             ーasahi.com 「中学受験の人生相談」


いい学校に行けば将来の可能性が広がるのか、狭まるのか? これは水の半分入ったコップを見て、もう半分しかないと見るか、まだ半分もあると見るのかにどこか似ています。

可能性が狭まる(=無数の現実的でない選択肢が失われていく)と見るよりも、どんどん可能性が広まる(=いくつかの非常に現実味のある選択肢が生まれてくる)と見たほうがずっと肯定的に生きることができると思います。

ただ、選択肢は多く持っておきたいが、まだまだ一つには絞りたくない(他の選択肢を捨てる勇気がない)という気持ちもよくわかりますが


文化系トークラジオLIFE「表現する人・したい人〜一億総クリエイター時代?」で学生の間でクリエーター指向よりプロデューサー指向が強まっているという話を聴きました。その主な理由としては:

積極的な理由としては、商業的なプロジェクトではクリエーターの意向が、プロデューサーによりオーバーライトされる(完全に変更される)ことが多々あるので、むしろ仕切る側に立ちたい

消極的な理由としては、クリエーターでやっていくほど創造性に自信はないが、プロデューサーやマネージャーとしてならやっていけそうな気がする

などが考えられるようです。

サイエンティストも広い意味での表現者でありクリエーターであるので、同じように考える人がいてもおかしくありません。ファカルティーとして独立した研究室を運営するようになると、プラニング・マネージメントの仕事が増えていきます。”クリエーター”であるポスドクや他のラボメンバーをマネージすることとグラント(研究費)を獲得することに専心する”プロデューサー”風の仕事のスタイルをとるファカルティーは数多くいます。

”クリエーター"から”プロデューサー”へ移行にともない、異なった種類の"創造性”が必要になってくると思います。ただ、”クリエーター"から”プロデューサー”への移行を非常に曖昧なものと考え、”クリエーター" or”プロデューサー”ではなく”クリエーター/プロデューサー”のように私はどちらでもありますという、自分のあり方を肩書きで決めつけない「スラッシュのあるキャリア」も考えていいのではないでしょうか。

参考:「スラッシュのあるキャリア」One Person/Multiple Careers: A New Model for Work/Life Success by Marci Alboher

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プロフィール

Motomu Shimaoka

Author:Motomu Shimaoka
島岡 要:10年余り麻酔科医として大学病院などに勤務. その後, Harvard 大学医学部への研究留学を期に, 非常に迷った末に医局を離れBoston で独立することに挑戦し, 現在ラボ運営に奮闘する.「実験医学」 に”プロフェッショナル根性論”を執筆中.

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